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東京
4
nov

「常識とは何か?」を考える

20211104

こんにちは!
東京開発部の趙です。

11月に入り、秋はやっと訪れてきた感じですね。
さて、今回は「常識とは何か?」についてお話ししたいと思います。

昨今、世界全体の人口は増え続けていますが、地球の土地自体は増えていません。
(日本の人口は減り続けていますが)

特に米や農産物を栽培できる土地が減少傾向にあります。
限られた土地の中で、どうやってたくさんの人の分の食材を賄えるようにできるか
今世界中の専門家は色々な対策を考えています。

そんな中、水稲栽培を例として
斬新な案がありましたので、いくつかピックアップします。

【①塩類土壌にも水稲を栽培できる】
今まで水稲はpH6.0程度の土地にしか栽培できないものでしたが
昨今、新しい品種である「海水稲」が開発されました。
「海水稲」とは「耐塩性水稲」の俗称で、塩性・アルカリ性土壌に生育し、
耐塩性・アルカリ性、耐水害、耐病虫害、耐倒伏性などの特徴を持っています。
「海水稲」の試験栽培は既に実験段階に入ったようです。


【②水稲を高く成長させる】
水稲といえば、高さはせいぜい50cmでしょう。
それよりも高く成長させて、沢山の実を作って、生産量を上げる策のようです。

メディアの報道によると、ある研究チームで、茎の長さが一般的な稲の2倍になる
「巨大稲」(100平方メートル))の試験栽培が成功したそうです。
100平方メートルあたりの生産量は800kg以上にのぼる見通しだとか。

遠くを見渡すと、これらの稲はモロコシのようにまっすぐに伸びており、茎の長さは2mにもなります。
「巨大稲」の茎は太く頑丈で、病気と倒伏に強いうえ、
水没とアルカリ性にも強く、さらに十分に栄養も供給でき、
水生動物や哺乳動物のために日陰を作り、最良の生息地も提供できます。

このほか、この「巨大稲」が植えられている田んぼは水を深く貯めることもでき、
「稲と魚の共生プロジェクト」によって農家の生産量と収入を増やすことができます。


【③一度栽培すると何回も収穫できる】
ある研究チームが栽培した多年生の稲は、試験用の田んぼで豊作となりました。
この実験の成功は水稲の耕作方式の伝統を打ち破るもので、
一度植えれば何年も収穫することを可能にします。

同プロジェクトは、2017年から小規模のモデル栽培を始め、
水稲の適応性、安定性、豊作性、病虫害予防・抑制の全てにおいて成功を収めました。
多年生稲は水稲育種の革新であり、一度植えるだけで2期連続 収穫したり越冬して数年収穫したりできます。

期間中は、再度の育苗(いくびょう)や耕起(こうき)、田植えなどが不要となり、
労働投入量の大幅な減少、農家の労働強度の低下に加えて、
収穫量も比較的安定し、農村振興のための新たな農業技術モデルとなっています。


どれも今までの「常識」に囚われていたら起こり得なかった発想です。
何かを考える時、ぜひ「常識とは何か?」と疑問を持って新しいアイデアを生み出しましょう。
(写真は埼玉県で撮った田んぼです)