こんにちは!
4月で新卒2年目になりました、東京オフィスの上野です。
まだまだ深刻な状況が続いていますが、
この状況に一切不安に思わないようにするのは無理な話ですよね。
不安なら不安だと感じた上で、その不安を受け入れて、どう行動するかが大切だと思っています。
最近は家で過ごす時間が長くなり、映画を見る時間が増えました。
こんな時だからこそもう一度観たいなと思ったのが、
2009年に公開された細田守監督の作品「サマーウォーズ」です。
(2015年に細田守監督作品の展示イベントが行われた時の写真です。)
なぜ今この状況でオススメするのか?
それは、こんな状況だからこそ観てほしい、ワンシーンがあるんです。
※以下ネタバレ含みます
「OZワールド」という仮想空間で、
ほとんどのことがネット上で事足りるようになった世界。
主人公は、学園のアイドル:なつき先輩に連れられ、
なつきの実家であり、元武将の家系である「陣内家」に数日滞在することに。
その滞在中、「ラブマシーン」と呼ばれる人工知能が暴走し、
ネット上で管理していたものが全てハッキングされ、現実世界がめちゃくちゃになります。
アカウントが乗っ取られて何もできなくなる。消防署・病院に偽のアラートが出る、
株価は音楽のボリュームのように上がったり下がったり、カーナビはあらぬ方向を示す。
全世界で大混乱が巻き起こり、
その様子を見かねた陣内家の長、栄(さかえ)おばあちゃんが、こう呟きます。
「これはあれだね、まるで敵に攻め込まれてるみたいじゃないか。
下手をしたら、死人が出るかもだね」
そう言って黒電話を手に取り、矢継ぎ早に電話をしていきます。
この栄(さかえ)おばあちゃん、只者ではありません。
おばあちゃんの真っ直ぐな信念や、厳しくもやさしい人柄は、数々の人の心を動かしてきました。
電話する相手は、親戚の消防士・救急隊員の孫だけでなく、国会議員や医療会のトップなど、
人を助けるために最前線に立つ人、もしくはその権限を持っている人ばかり。
「頼彦、くじけていないで一件でも多くのお年寄りを訪問するんだ、いいね。」
「イイトミさん、大事なのは昔のように、人と人とが声を掛け合って
コミュニケーションを取ること、それを一番分かってるのはあんたじゃないか。」
「センさん、あんたの決断にかかってるんだ。
そりゃ確かに人手は掛かる。けど人の命にはかえられないだろ。」
そして栄(さかえ)おばあちゃんは、こう言うのです。
「あんたならできる!」
たったこの一言だけなのに、栄(さかえ)おばあちゃんの この言葉を聞くだけで、
背筋がしゃんとして、希望が持てるんです。
そうして栄(さかえ)おばあちゃんから励ましの声を受けた人々の活躍のおかげで
みるみる混乱は収束していきます。
ここまでのシーン、私は今の状況とリンクするところがあると思いました。
コロナウイルスによって生活に大きな影響が出ていて、
そんな中での生活用品の買い占めや高額転売、
不安を煽る悪質なチェーンメールや助成金の詐欺、
たまたま感染してしまった人を極度に責め立てるSNSなど。
100人中100人がこの状況に対して良いとは思わないはずです。
「自分さえ良ければいい」と、ついついそんな思考に陥ってしまいますが、
一人ひとりが自分にだけに向けていた矢印を、他人にも向けられたら
きっとこの状況を乗り越えることは不可能ではないと思います。
一人ひとりの行動は小さくても、その小さな行動が誰かの心を動かし、
波及して大きなエネルギーになることを「サマーウォーズ」では大きなテーマとして描いています。
綺麗事とは思いますが、その綺麗事を信じてみんなが本気でやれば、
それを現実にできると私は思っています。
「あんたならできる!」
その言葉を胸に、今この状況でできることを、
背筋をしゃんと伸ばして、希望持ってやっていきたいと思います。
それでは!